負傷2009年11月24日 21:57

負傷していまいました。けどこれは僕ではなく猟犬の話。15日の初猟の日に3頭、先日1頭合計4頭の犬が猪に切られ、現在療養中である。
どの犬も大分良くなっているのでもう少しで使用出来そうだ。大体首筋とか腹とか足の付け根等を牙でかけられる事が多いが今回はいずれの犬も皮一枚を切られているだけなので一安心。ひどいときは即死になる事もある。人間もしかりで日本では熊の次に猛獣なので大怪我をする可能性も十分ある。犬と云えば昔、僕が中学生だった頃隣町から父が猟犬の子犬を貰ってきて仕込む事になった。名前はコロ。そのころ我が家には12頭の猪猟犬がいてこの犬は13頭目。僕が普段面倒を見ることになり朝、朝刊を配ってから(中学3年間新聞配達をしていた)餌をやり、学校から帰ってからも相手をするようにしていた。8ヶ月でまだ身体がもう少し大きくなるころ父が他の犬と一緒に猟に連れて行くと言う。東山と云う山に18貫位の3本足(罠等で足首から先を失った)の雄の猪が居るらしい。こんな猪は犬と絡む事も多いので良い訓練に成るとの事。結果、東山の西斜面に寝ていたこの(雄の事をカリッポ、雌の事をオカアもしくはメイと呼び、2年目以降をフルコ、1年目をドンコと呼ぶ)カリッポは未だ8ヶ月のコロの腹を割き、隣町の篠山市方面へ逃走してしまった。父は裂かれた腹をサラシで巻き、家に帰って、電話で医者に連絡し僕も同乗して医者に行き、すぐに手術をして貰った。家に連れて帰り、風呂の炊口(昔は薪の風呂)に毛布を敷いて、一晩寝ずに看病したが朝5時ごろ僕の掌をひと舐めして、その後大きく息をしたかと思うとそのまま安らかに旅立った。まだ、8ヶ月で初めて行った猟なのに持って生まれた素質で他のベテラン犬と一緒に寝屋へ飛びこんだのだろう。僕は父に*なんでやられたんやー。*と泣きながら訴えたのを覚えている。その時父は僕の目を見て*絶対、仇は取ったる。まあ見とけ。*と一言言った。その日から数えて1週間後、あの東山に例のカリッポが帰って来ていると云う知らせを通学前に聞いたがその日夕方、部活を終えた僕は急いで家に帰り裏の池(何時も取れれば猪を浸けている)を覗いてみるとそこには前の右足の足首が無い3本足の大きな猪が浸かっていた。父は僕の顔を見て*仇は取ってきた。けどコロも猟犬や。猪にやられて一生を終えたのなら本望やろ*と言ったのだった。その時僕は丹波の猪猟とは何と厳しいものだろうと思ったのだった。
現在、父も巻かなくなったが猪猟師は山へ入る時必ず腹にサラシを巻くものだと教えられた。