銃考 ②2012年08月11日 21:40

昔から本格的に猪猟をしている丹波の猪猟師なら知っている言葉が有る。<1犬・2足・3鉄砲>と云う言葉だ。丹波の猪猟には一番犬が大事で二番目は歩く(見切り)のを惜しむなと云う事で肝心そうに見える銃は三番目で、言ってみれば銃はどんな物でも弾さえ出れば良いと云う事。銃はしっかり狙えば弾は真っ直ぐ飛ぶようになっているので当たらないのは銃のせいでなく自分の腕のせいなのだ。これが解らないから当たらないのをすぐ銃のせいにする。300回の肩付け練習は、部屋の中で目標となる小さな点を3か所程度決めてそこに一気に銃を肩付けしてサイトと合うかどうかの練習だ。最初は必ず狙い直さないと駄目だが練習をしていくうちにさっと狙えるようになる。私の祖父は暗い部屋でろうそくを立ててそこを一気に狙う練習を毎日したそうだ。これが出来ないと丹波のフィールドでは使い物にならない。遠い所に立っている獲物をじっくり、のんびりスコープで狙うのとは訳が違う。そんな暇は無い。遠い所と云えば空気銃でも散弾銃でもライフル銃であっても、その時と場合で遠射をしないといけない時が有る。ライフルのように装弾の種類が山程有って遠射に向くとか向かないとか有る物は別にして空気銃とか散弾銃レベルでは遠い所を撃つと云ってもたかが知れている。私も射撃が上手い方だとは思っていないが獲物に近付いて行くテクには自信が有る。祖父からじっとしている鹿や鳥を遠い所から撃つのが上手なのではなく獲物に覚られず近付いて行く技術を持つ方がよりレベルが高い猟師と云えると教えられた。まさにそうだと思う。散弾銃レベルではそう云う意味でも3鉄砲で有る。続く・・。