あと数日で① ― 2012年03月23日 19:15
81歳になる父の事ですね。まあ猟師2代目で現役です。元々、猟を始めた頃は傍に猪は居なくて鳥猟をしていたそうです。覚え始めの頃近所のため池の土手で小鳥が飛ぶのを撃つ練習を昼間したそうで、近所の人が○○さん、池が弾で埋まるでーと言ったくらい撃ち続けたらしく、何でも、祖父が三羽に二羽当たるようになったらどんな鳥でも当たると言ったそうです。しかし雀何かが飛んでてもあんなもの当たらんと思うけどねェ。夜は真っ暗な部屋にろうそくを何本か点けて銃の肩付けの練習を来る日も来る日もやったようです。何年か鳥をやり、その後猪に転向したらしいですよ。私は中学の頃から休みの時は山に一緒に行っていました。父の全盛の頃です。歩くのは早いし山を走るのはめちゃくちゃ早い。私は中学生だし父は40代半ばですが全くついて行けませんでした。普通切れないような蔦なんかが絡まっても平気でぶち切っていっていましたしそれこそ飛ぶように走っていました。父の射撃は必ずワンショットワンキルです。但し、丹波の猪猟で云うワンショットワンキルは止め矢(2発目の止め)を入れての意味ですがそれが無くても確実に仕留めていました。父は必ず2発撃ち、1発は小耳と云って耳の後ろ、2発目も数cm違いで小耳と云う神様がするような射撃を何時もしていました。丹波の山の中では猪が走っていると目視出来るのが長くて10秒位、普通は数秒で立ち混んだ木立の為に見えなくなります。従ってその何秒かで勝負する訳です。そう云った状況でよくもまあ小耳ばかり撃てるなぁと云うのが私の感想ですね。猪は私達にとって商品なので肉を極力痛めないし猪も苦しまないのが小耳なのです。けどそこはたまには撃てるけど何時もそうはいかない。私のグループの皆は他に比べると上手な人が多いですがそれでも私は皆に横隔膜から前を撃てって言ってるんですよ。背中とかももとか腹等は論外。極力、頭へ撃ちこむ事ってね。命を頂くのだから苦しめてはいけないと考えています。1月半ばまで猪はそのまま出荷する商品です。獲ったら良いと云うものでは無い。
② ― 2012年03月23日 20:00
取引先の猪肉屋さんの話ですが私達グループの獲った猪は関東方面の高級料亭等に出されるようでお店ではほとんど販売しないそうです。理由はいくつか有って、まず全国屈指の猟場で獲れた最高級の猪で有る事、他の猟師と違いほとんどの場合頭を撃たれていてその後の放血処理も確実に行われている事、私達の獲った猪で有る事がすぐに解る事(足をふじ蔓で2本ずつ括って有るので)等で選ばれているようです。
話は父に戻りますが有る時、父が外から呼ぶので出てみるとそこには大きな猪とぼろぼろの服で長靴を片方だけ履いて血だらけになった父が立っていました。*えーっ、一体どうしたん?**猪にしがみ付いて獲ってきた*状況はこんな事らしいです。朝、何時もの様に見切りに山に行くと、山裾を食みから朝帰りする猪を見つけたのでその先にある猪が来るであろう所へ銃を持って走って行き、来たところを撃ったのは良いが息を切らして走ったものだから狙いが上手くつけられず顎の付け根を撃ってしまったらしい。そのまま沢の中に入ったので傍に行って撃とうとしたのだが傍に寄りすぎて猪に水の中に押さえ込まれ格闘となったのだが銃は何処かに飛ばされるし、猪は逃げかけたのでこんなもん絶対にがすかぁと思って尻尾と右の後ろ足にしがみ付いて引きずられて山に上がって行ったらしくそれからが長かったらしいです。猪は重いので蒸気機関車のような鼻息で山を上がって行くし自分は握力がだんだん無くなってきて、仕方がないので腹の下に潜り込んで下から抱きつくような格好でふた山超えて下りに入った所が石ばかりの山で頭に石は当たるわ、気が遠くなりそうになったのだが何時の間にか猪が動かなくなったので良く見てみると木の株の二股の中に後足が挟まれストップしていたので今だと思い腰に何時も付けているロープを取り出しそれで猪の足と木を括って動けなくした。それからナイフで刺そうとしたがナイフがどこかに落ちたようで仕方がないので石で頭を叩き仕留めたらしいです。我に返るとそこは隣町で仕方ないので猪はそのままで車の所に歩いて戻り、自分の姿を確かめるとシャツは半分千切れて無くなり長靴も同様、ズボンは穴だらけでそこら中血だらけになっていて自分でも恐ろしくなったらしいです。そんな事をしてでも獲って来ると云う信念と言うか執念のような強いものが父には有るのでしょう。81歳になった今、一時は銃を置こうかと思ったようですが更新もしたのでとりあえずは3年間は猟に行けます。今でも自分が思った所に猪が来れば撃つので元気で事故の無いように続けて欲しいと思っています。
話は父に戻りますが有る時、父が外から呼ぶので出てみるとそこには大きな猪とぼろぼろの服で長靴を片方だけ履いて血だらけになった父が立っていました。*えーっ、一体どうしたん?**猪にしがみ付いて獲ってきた*状況はこんな事らしいです。朝、何時もの様に見切りに山に行くと、山裾を食みから朝帰りする猪を見つけたのでその先にある猪が来るであろう所へ銃を持って走って行き、来たところを撃ったのは良いが息を切らして走ったものだから狙いが上手くつけられず顎の付け根を撃ってしまったらしい。そのまま沢の中に入ったので傍に行って撃とうとしたのだが傍に寄りすぎて猪に水の中に押さえ込まれ格闘となったのだが銃は何処かに飛ばされるし、猪は逃げかけたのでこんなもん絶対にがすかぁと思って尻尾と右の後ろ足にしがみ付いて引きずられて山に上がって行ったらしくそれからが長かったらしいです。猪は重いので蒸気機関車のような鼻息で山を上がって行くし自分は握力がだんだん無くなってきて、仕方がないので腹の下に潜り込んで下から抱きつくような格好でふた山超えて下りに入った所が石ばかりの山で頭に石は当たるわ、気が遠くなりそうになったのだが何時の間にか猪が動かなくなったので良く見てみると木の株の二股の中に後足が挟まれストップしていたので今だと思い腰に何時も付けているロープを取り出しそれで猪の足と木を括って動けなくした。それからナイフで刺そうとしたがナイフがどこかに落ちたようで仕方がないので石で頭を叩き仕留めたらしいです。我に返るとそこは隣町で仕方ないので猪はそのままで車の所に歩いて戻り、自分の姿を確かめるとシャツは半分千切れて無くなり長靴も同様、ズボンは穴だらけでそこら中血だらけになっていて自分でも恐ろしくなったらしいです。そんな事をしてでも獲って来ると云う信念と言うか執念のような強いものが父には有るのでしょう。81歳になった今、一時は銃を置こうかと思ったようですが更新もしたのでとりあえずは3年間は猟に行けます。今でも自分が思った所に猪が来れば撃つので元気で事故の無いように続けて欲しいと思っています。
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