一犬・二足・三鉄砲2009年12月17日 21:05

昔から猟をする人だったら、このタイトルは聞いた事があると思う。丹波地方だけかも知れないが、この言葉は犬を使って猟をする人ならどんな人にも当て嵌まる言葉だ。猟はまず犬が一番重要である。犬さえ良い犬なら良い猟が出来るが犬にも使い方が色々あって、単独で一匹だけを使う方法と複数(多いときには十数頭)の犬を使う方法と、それぞれその犬の持ち味とか山の様子とか猪の状態とかによって使い方が決まる。昔中学生の頃、僕はいわゆるカマ勢子というのをやっていた。勢子と共に犬を連れて猪を追い出す役だが一番下っ端がやることだ。その頃犬を12頭独りで連れて山の頂上まで上がり、勢子の合図で放犬するのだが、犬は遠くの猪のにおいを取り一直線に寝屋に到達し、鼻犬(一番優秀な犬)がワン・ワンとゆっくり一声ずつ鳴いて猪を起こしにかかる。直ぐにその傍に他の犬が集まり鳴き始める。そこでずっと止まる猪は勢子が駆けつけ倒すが、逃走しかけると12頭の犬がそれこそ山が割れないかと思うくらい煩く鳴いて猪を追い、待ち場の人がそれを倒す。運悪く、弾がかすった位でも犬が何処かで絡み捕獲出来る。まあいずれににしても犬が一番重要でその次は足。これは私達の様に猪の寝ている所を特定する様な猟をするものには大事な要素で、もう少し頑張って歩いていれば猪の跡が拾えたのにとか云う事がよくある。歩く事を惜しむなである。最後は鉄砲でどれだけ高級な(何千万)銃でも他の人からただで譲り受けた様な銃でも実猟では同じでおじいちゃんは一番最初は火縄銃で猪猟をしていたらしい。どの様な銃でも弾は真っ直ぐ飛ぶ様に出来ているので、あとは好みとか使用方法とかで銃種が変わる位でどんな銃でも問題ない。最近私の家で飼って居た様な優秀な猪犬は見かけない。何処の犬も帯に短し、襷に長しでもう一歩だ。